ドライブスプロケットの交換

またの名を「フロントスプロケット」といいます。まあ要するに歯車の一つなのですが、こいつの歯数を一つ増やすことによってスピードが(弱冠)伸びます。「どうして変わるのか?」という問いには「それはつまり2次減速比がムニャムニャ」としか答えられない私をお許し下さい。うまく説明ができぬのです。だから、もう少し待っていてほしいんだ。5年?10年?(首を振りながら)分からない。でも今、確実に言えることはたった一つ。君は僕のダイヤモンドさ。

のっけから始まった愛憎劇は置いておいて、話を戻します。新車の段階での歯数が11でありますから、これを12のものに交換して、わずかばかりのスピードアップに浮かれてみよう、というのが今回の話です。ちなみに、私の場合、最高速度が5km/hほど上がりました。いや、だから弱冠って言ってるじゃないですか。

「何やら難しそうじゃね?」とかお考えのあなた、多分、そんなに心配しなくてもよいかと思います。なにしろ、私にとっての「初☆バイクいじり」が、この作業だったにも関わらず成功したのですから。ええ、洗車よりもオイル交換よりも先にこの作業をしましたとも。

さっそく始めてみましょう。まずは+3のドライバーを携え、車体左側に立ち、下の写真の黄色い丸で囲ったネジを外します。ここを外せば「ドライブスプロケット」がお目見えします。


「ドライブスプロケット」お目見えの図。

次に、チェーンの清掃の要領でチェーンカバーを外し、次にチェーンの調整の要領でチェーンをダルダルに緩め、チェーンをずらすか、もしくはチェーンのクリップを外してしまいましょう。


チェーンをずらすか、外すかしましたら、「ドライブスプロケット」を固定している「サークリップ」を外します。「ドライブスプロケット」の中央部分に丸が二つ並んだC型の変てこな部品が見えるかと思います。そいつが「サークリップ」です。外してみると、下の写真のような形をしています。


「サークリップ」さん、単体での御姿。


「サークリップ」を外すには、上の写真のような工具があると非常に便利です。どれくらい便利かというと、「サークリップ」は外したら新品交換せねばならないのですが、なんと!こいつで外すことで数回使い回しが出来てしまうのです!ひぃぃぃぃ!

私がいかに販売系の仕事に向いていないか、ということがよく分かる一場面だったかと思います。「まあ!当店に春の妖精が舞い降りたのかと思ったら、お客様でしたか!これはこれは失礼を。それ、とってもお似合いですよ〜。え?ワンサイズ小さいものでございますか?何をおっしゃいますかお客様。今皆さんこのサイズで着られてるんですよ〜。いかがです?これ一着で春夏秋冬・冠婚葬祭、カジュアル・通勤・デートに不倫!いつでもどこでも何度でも。あなたのお役に立ちたいわ。そんなお洋服になっております。ささ、お会計はあちらで。どうぞどうぞ」

なんて、口が避けても言えません。「え?いいんじゃないっスか?」くらいが関の山です。

話が大いに逸れました。ええと、上の工具は「スナップリングプライヤー」という名前だったかと思います。1000円ちょいで買えてしまいます。


さて、さっきの工具を「サークリップ」に引っ掛けて外します。折れないように気をつけましょう。


右が外れた11Tの「ドライブスプロケット」。左がこれから付ける12Tの「ドライブスプロケット」です。今回使用しましたのは「AFAM ドライブスプロケット」というものです。1800円でした。部品番号は多分「30100−12T」だと思います。分からなければ店員さんに聞きましょう。 「え?YB-1Four用のですか?何をおっしゃいますお客様!それよりもこれ!このリトルカブ用のこれ!当店スタッフ一同の一押しです! 装着はいたって簡単。差し込んでナットで留めるだけ!誠に簡単です!『差し込んで ナットでちょちょいと 留めるだけ』なんつて!なんつて!あははははは!」なんて具合に勧められたら殴ってしまってもいいかもしれません。YB-1Fourに装着可能なものを買いましょう。リトルカブ用は付きません。

さて、アホな店員の策略に溺れることなく買い求めましたら、それを差し込んで「サークリップ」で留めます。「ドライブスプロケット」を差し込む部分に溝がありますので、そこに「サークリップ」がはまっていれば大丈夫です。

忘れずにカバー類を取り付け、チェーンの調整をしたら、徐行で試運転をしてみましょう。どうです?どうです?え?あまり変わらない?いや、だから弱冠って言ったじゃないですか。

ちなみに、今回のように「ドライブスプロケット」の歯数を一つ増やす程度では必要ありませんが、これ以上増やすとなるとチェーンを長いものに交換する必要が出てきますのでご注意下さい。余談ついでに話を進めると、「ドライブスプロケット」の歯数を増やせば高速型になり、逆に「ドリブンスプロケット」の歯数を増やせば加速型になります。その際には、歯数同士の数が割り切れない数にするとよいそうです。 つまり、「ドライブスプロケット」が13で「ドリブンスプロケット」が39だと3で割り切れてしまうので、このような組み合わせはよろしくないそうです。それっていうのはつまりムニャムニャ。近いうちに説明出来るようにしておきます。



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