チェーンの清掃

YB-1Fourのチェーンは剥き出し状態ですので埃や砂利が付着しまくります。放っておくとトラブルの原因になりますのでこまめに清掃してあげましょう。キレイなチェーンというのは見ていても乗っていても気持ちの良いものです。

チェーンには、大まかに分けて2種類のタイプがありまして「シールチェーン」と「ノンシールチェーン」があります。YB-1Fourに使われているチェーンは「DAIDO 420」というタイプのノンシールチェーンです。ちなみに「シール」と「ノンシール」の違いというのは、グリスが封入してあるOリングが組み込まれているか否か、というところです。他にも違いはあるかもしれません。

当然、「シール」があるほうが性能がいいです。いいのですが、清掃の際には専用クリーナーが必要だったり、ブラシでゴシゴシしちゃダメ、なんていう不利なところもあります。でも、そんなもんは大した不利にはならないと思います。チェーンは清掃のためだけに存在するわけではないですから。機会があったら私も「シールチェーン」を試してみたいと思います。お高いものだけれど。

さて、それでは始めていきます。清掃方法には、チェーンを着けたままゴシゴシするか、チェーンを車体から外してゴシゴシするか、の2通りがあります。どちらにもメリットとデメリットがありますので一概にどちらかの方法を勧めるということはありません。ここでは面倒くさい方の「チェーンを外してゴシゴシ」を行います。徹底清掃の構えです。

まずは、「チェーンの調整」の要領でチェーンを緩めます。


緩めましたら、邪魔なチェーンケースカバーを外します。黄色い丸で囲ってあるボルトを外します。ここは8mmのレンチを使います。ボルトを外したら、チェーンケースカバーを後方に引き外します。ついでなのでチェーンケースカバーも清掃してしまいましょう。


次に、上の写真の黄色い丸で囲ってある、クリップを外します。基本的に新品交換するように説明書には書いてありますが、1〜2回くらいでしたら大丈夫かと思います(少しでも不安な方はやめておきましょう。最下部にチェーンを外さずに清掃する方法を記してあります)。ここはCリングプライヤー(下の写真)を使うと楽です。なければ、プライヤーを使いましょう。ちなみに、私はここで100均のラジオペンチをつかってみたところ、ものの見事にラジオペンチが曲がりました。それはもう気持ちの良いほどに。


根性なしのラジオペンチ


さて、外れると以下のような部品でチェーンが接続されているのが分かります。上からクリップ、プレート、ジョイントとなっております。これも外したときに清掃してしておきましょう。

ジョイントまで外れれば、チェーンは完全にフリーダムになっています。ずるずる引っ張って車体から完全に外しましょう。


外れましたら、まずはチェーンをブラブラ揺すってみて固着していないかどうかの点検をしちゃいましょう。スムーズにチェーンがブラブラしなければ交換です。スムーズに動くようでしたら、上の写真のようなクリーナーを吹きつけて歯ブラシか何かでゴシゴシします。クリーナー吹き付けてゴシゴシ、吹き付けてゴシゴシ、プシュー、ゴシゴシ。プシュー、ゴシゴシ・・・・・・


見違えるほどキレイになったりします。いやはや、それにしても、この汚れっぷりはいかんともしがたいのではないかね?

ほどよく洗いましたら、あとはチェーンを戻していくのですが、その前にチェーンをしっかり乾燥させましょう。新聞紙の上にでも干しておけば問題ないと思います。チェーンさんの入り待ちの間、休憩でもしていましょう。ついでにリアタイヤのホイールなんかを掃除しとくのも一興かもしれません。普段はチェーンが邪魔で出来ないことですから。

さて、よーく乾燥させましたらチェーンを戻していきます。基本的に外したときの逆の手順で取り付けていくのですが、クリップの向きには注意を払ってください。まずは下の写真をご覧下さい。ほら、何か、タイヤの向こう側に、男の、顔が・・・・・?


でっちあげの恐怖体験は置いておいて、クリップの取り付け部分をよく確認していただきたいでござる。ほら、よく見るでござる。思わず文体が変わってしまうほどに大事なことでござる。弱冠、時代劇がかった文体はいささか疲れるのでござる。なので元に戻しますけれど、クリップの口が閉じている方を、チェーンの回転方向に向けて取り付けて欲しいのです。決して逆向きに取り付けなさらぬこと、ゆめゆめ忘るるべからず。チェーンをかけたらチェーンカバーも忘れずに。左右でネジの長さが違いますので気をつけてください。左が短いネジです。

さて、首尾よく元に戻しましたら、「チェーンの調整」の要領でチェーンの張りを調整しましょう。


いい塩梅に張れたでしょうか?張れましたら最後にチェーンに注油を行います。上の写真では弱冠見づらいかもしれませんが、チェーンオイルはローラーリンクプレートとピンリンクプレートの間に差してあげると効果的です。一つ一つ丁寧にプシュプシュ差していきます。このときに、チェーンの内側に差しましょう。こうすることでオイルの飛び散りを防げますし、遠心力でオイルが外側にもちゃんと流れますので。


今まで「YAMAHA スーパーチェーンオイル[ウエット]」を使っていたのですが、あのベタベタ感にとうとう愛想をつかした私は、オイルを変えてみました。


「YAMAHA チェーンオイルドライ ME-180」

何がどう違うのかというと、ウェットがドライになっただけです。濡から乾へ。それに「ホワイトタイプ」というオイルを一度使ってみたかったのです。いわば夢です。1150円で叶う夢。プライスレスでもなんでない。マスターカードが聞いて呆れる。こっちは現ナマだコラ。まあそれはともかく、使ってみた結果がこちら↓


驚きの白さ。さすが「ホワイトタイプ」と謳っているだけあって白いです。一瞬、塗料を買ってしまったのかと我を疑ったほどです。効果の程が楽しみであります。

あ、ちなみに私のチェーンオイル注油はいたって原始的です。通常ならばジャッキなりメンテナンススタンドを使って後輪を浮かせ、コロコロ空転させながら注油を行うのでしょうが、私はまだそれらの便利アイテムを持っておりませんので、オイルを差しては車体を移動させ、オイルを差しては車体を移動させ、の繰り返しです。 およそ10メートルほどの距離を移動しますので、傍から見ればアレな感じに違いありません。

さて、あらかた差し終えましたら、オイルが浸透するまで10分ほど放置し、布で余分なオイルを拭いてあげます。このときに目一杯拭いてしまって構いません。目一杯拭かないと、余分なオイルが走行中にホイールに飛び散って膝から崩れ落ちる結果になります。「せっかくキレイに拭いたのに・・・・・・」とか、タイヤにオイルが付着して「ぎゃーーーーーー!」とか。必要分のオイルはちゃんと浸透していますからじゃんじゃん拭いてあげてください。

じゃんじゃん拭いたら試運転に出かけましょう。雨が降り出したら声をあげて泣いてしまえばいいじゃないですか。




チェーンを外さずに清掃する方法は、チェーンにクリーナーをプシューとかけて歯ブラシでゴシゴシするか、布でゴシゴシ拭いてあげます。サイドスタンドを下ろした状態で行う場合には関係ないですが、メンテナンススタンド等を用いて後輪を浮かせて作業する場合は、決してエンジンをかけないでください。下手したらチェーンとスプロケットに指を挟まれて指が吹き飛びます。ご注意を。あとは乾燥させ、オイルを差すだけです。こちらのほうが遥かに簡単ですし、ちゃんと磨けば上記と大差なくキレイになります。チェーンを外して清掃するときはあくまでも自己責任でお願いします。・・・・・・あ、タイヤを外せばクリップを取らなくて済むじゃん。



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