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クラッチの調整 |
「クラッチの調整」といっても、いきなりクランクケースを開けてどうたらこうたら・・・というようなことはしません。というか、私にはできません。 ここでは、クラッチケーブルの遊び量の調整をしていきます。 実践に入る前に、「遊び量とはなんぞや?」というところから勉強していきたいと思います。何の為に遊び量を調整するのかということを理解していないと失敗したり、何より、つまらないですからね。 さて、遊び量というのは、「その作用が発生するまでの距離」のことです。 実際に握ってみれば分かりますが、クラッチレバーを握ってみると、ある程度まではすんなり握れますが、ある部分を過ぎると抵抗を感じ始めると思います。その、すんなり握れている範囲が「遊び量」です。 もしも、この「遊び量」がないとどうなるのでしょう?正解は「クラッチが滑る」です。「クラッチが滑る」というのは、常に半クラッチ状態のような現象でして、アクセルを回しても回転数ばかりが上がり、スピードがそれに着いていけていない、ということです。放っておくとクラッチが故障してしまいます。これはよろしくありません。しかも、この状態がハンドルを真っ直ぐにしているときのものであるなら、なおさらよろしくありません。 クラッチというのは、内部に張られたケーブルが引っ張られ、クラッチギアが動く仕組みになっています。このケーブルは、クラッチレバーを握れば動くのは当然ですが、実は、ハンドルを左右に切ったときにも動くのです。それはそうでしょう。なんといっても相手はケーブルです。極論してしまえば、ただの紐です。 試しに、一本の紐を両手で持って左右に動かしてみましょう。片方の手の位置が常に平行に動くでしょうか。必ず、片方の手を支点にして、円を描くはずです。コンパスみたいに。ケーブルの動きも同じです。ハンドルが左右に切れればケーブルもそれに合わせて動きます。 このときに、「遊び量」がないとなれば、クラッチレバーを握ってもいないのにクラッチギアが作動してしまいます。危なっかしくて、左折すらままなりません。ですので、これを防ぐために「遊び量」は必要というわけです。これは、現象は違うこそすれ、スロットルワイヤーにもブレーキワイヤーにも言えることです。 なんだか偉そうに講釈を垂れてしまいましたが、これでもしも、この説明が全然違うものだったら恥ずかしすぎて死ねます。でも、間違っていたらご遠慮なくおっしゃってください。頬を染め、平身低頭しながら修正いたしますので。 さて、肝心の「遊び量の調整」ですが、YB-1Fourの場合、レバー先端部の動きが1cm〜1.5cmが適正範囲のようですが、神経質にならずに、自分の好みで調整しましょう。調整箇所は、レバー側とエンジン側の2箇所にあります。レバー側で調整できなくなったら、エンジン側で調整していきます。
まず1のロックナットを緩めます。緩めましたら、2のアジャスティングボルトを回して調整します。aの方向に回すと、遊び量が増え、bの方向に回すと、遊び量が少なくなります。
まず、1のロックナットを緩めます。緩めましたら2のアジャスティングナットを回して調整します。aの方向に回すと遊び量が増え、bの方向に回すと遊び量が少なくなります。調整が終わりましたら1のロックナットを締めます。 ある程度の調整が終わりましたら、ハンドルを左右に切った状態での「遊び量」を確認しておきましょう。大丈夫なようでしたら、徐行で試運転をしてみましょう。クラッチがうまく作動していれば問題ありません。
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