エアクリーナーエレメントの清掃

機械だからといって侮ってはいけない。あいつらは、呼吸をしている。

私はそれを証明することに成功した。だが、余白があまりに狭すぎるため、ここに記すことは出来ない。

と、書いたのはフェルマーさんでありますが、私もこれに同意致したく存じます。 その件に関しましては、また次の機会を設けまして、そのときにでも書かせていただきたく存じます。長くなりそうだし。

さて、エアクリーナーエレメントさんの役割は「フィルター」です。機械の中に埃やゴミが入り込まないようにしているのです。そんな汚れ役を一手に引き受けてくれているわけですから、 たまにはお掃除して、心身ともにキレイさっぱりしていただき、再び、明日からの商いに立ち向かっていただこう、というのが今回のテーマです。私の場合、およそ3000km毎に清掃しています。

用意する工具は+3のドライバーだけです。楽でいいですね。


さて、ドライバーを用意しましたら車体右側に立ちまして、ちょうど車体の中央ほどにある銀色の丸い部分があるかと思います。その中にエアクリーナーエレメントさんが鎮座ましましております。

ちなみに、車体左側の銀色の丸い部分を開けますと、中では、青く光る巨人がビルをなぎ倒したり、転校生の超能力者が赤い光玉に変身して闘っていたり、パソコンの画面に浮かび上がる文字は「sleeping beauty」。 ってな状態になっていたりするので開けても意味はありません。「俺は向こうの世界に帰りたい。まだ、収集できる動画が残っている気がするんだ。」「・・・・・・意味わかんない。」

分かる人には分かる小芝居は置いておきまして、とにかく、今回開けるべき場所は車体右側の銀色の丸い部品です。ネジで3箇所が固定されているので、それを外します。

ここで、正しいドライバーの使い方をあなただけにそっと教えちゃうけれども、ネジを緩めるときに、ただドライバーを回すだけではダメです。私のようにナメてしまう恐れがあります。ポイントは、ネジに対して垂直に押す力を6、回す力を4くらいの割合でネジを外していくのです。 固く締まっているネジであれば、押す力をさらに増やします。それでも外れなければ、「貫通ドライバー」をネジにあてがって、柄のお尻部分をハンマーで叩きながら回します。ショックを与えてネジを緩めよう、ということです。ですが、この、「叩いて回す」という方法を多用すると本体側に悪い影響が出るのでほどほどに。 ちなみに、巷で噂の便利アイテムであるところの「ショックドライバー」も、この原理を利用しているのです。欲しい!

エアクリーナーエレメントを取り出すだけなら、さほど苦労なくネジが外せると思います。多分。ネジが外れましたら、カバーをパカッと外します。黒いチューブが繋がっているので完全には外せません。ある程度までカバーを外しましたら、中に黒っぽいスポンジが入っていると思います。 それが、エアクリーナーエレメントさんです。優しい手つきで取り外しましょう。


上の写真が、外されたエアクリーナーエレメントです。結構、汚れてますね。ちなみに「湿式ウレタンフォーム」という形式だそうです。

エアクリーナーエレメントを外した状態でエンジンをかけるのはルール違反です。埃やゴミが容赦なく機械の中に入ってしまいます。


エアクリーナーエレメントの洗浄には、上の写真のような専用のクリーナーか灯油を使います。深めのトレイにクリーナーか灯油を入れ、エアクリーナーエレメントを優しく手洗いします。爪を立ててはいけません。敏感肌の方は手荒れの原因になったりもするのでゴム手袋を着けるといいかと。 じゃぶじゃぶ洗ったら、エアクリーナーエレメントをタオルなどでポンポン叩きながら余分な油分を落とし、よく乾燥させます。閉め切った部屋の中で行うと、あっち側の世界が見えちゃうかもしれませんので注意です。


よーく乾燥させましたら、オイルを染み込ませていきます。上の写真のような専用オイルかエンジンオイルを使います。ちなみに、上の写真のオイルは真っ赤なオイルでして、何やらべったべったしてイヤン☆な感じです。

さて、十分に染み込ませたら、余分なオイルを絞りましょう。絞る、と言っても雑巾を絞る感覚で絞ってはダメです。あと、爪を立てて絞るのもいかんのです。あくまで、優しく絞ってあげてください。


オイルが垂れなくなる程度まで絞りましたら、あとは元に戻していきます。エアクリーナーエレメントをカバーで挟まないように気をつけましょう。


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